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特別受益も遺留分侵害額請求の対象になる?

特別受益と遺留分には深い関係があり、生前贈与や遺贈などの特別受益は遺留分の計算に大きく影響します。

本記事では、特別受益と遺留分についての基礎的な知識から、両者の関係性、さらに注意点やポイントまでをわかりやすく解説します。

特別受益も遺留分に含まれる

遺留分の計算では、被相続人から生前に贈与された特別受益も遺留分の基礎財産に含まれるため、遺留分侵害請求の対象です。

ここでは、特別受益と遺留分についての基礎知識を解説します。

特別受益について

特別受益とは、被相続人が生前に特定の相続人へ与えた特別な経済的利益です。

被相続人からの生前贈与や遺贈は代表的な特別受益に該当します。

遺留分について

遺留分制度は、法定相続人の財産を守る重要な制度です。

相続における最低限の取り分を保障する制度ですが、被相続人の兄弟姉妹には遺留分の請求権は認められていません。

 

相続人の種類

個人の遺留分額

配偶者単独

配偶者が1/2

配偶者と子

配偶者1/4・子1/4

配偶者と父母

配偶者1/3・父母1/6

配偶者と兄弟姉妹

配偶者1/2・兄弟姉妹なし

子のみ

1/2

父母のみ

父母1/3

兄弟姉妹のみ

なし

 

遺留分の計算では、複数の子どもや父母がいる場合、その人数に応じて均等に分配されます。

特別受益に該当する3つの贈与

特別受益の判断基準は、贈与財産が遺産の前渡しに相当するかどうかです。

贈与の性質や目的によって、特別受益としての扱いが異なります。

生前贈与が特別受益となる場合

生前贈与を特別受益として扱うかどうかの判断基準は、その財産が遺産の前渡しと言えるかどうかです。

贈与の目的や金額、贈与時の状況などを総合的に考慮して決定します。

遺贈が特別受益となる場合

遺贈は遺言書に基づく財産の贈与です。

相続人に対する遺贈のみが特別受益の対象となりますが、遺留分を算定する際は第三者への遺贈も計算の対象です。

遺言による財産分与は、相続人の遺留分を侵害しない範囲で有効になります。

死因贈与の特別受益性

死因贈与は、被相続人の死亡を条件として効力が発生する贈与契約です。

被相続人が生前に「死亡時に特定の財産を贈与する」という約束を交わした場合が該当します。

遺贈と同様に、特別受益として扱われるのは相続人への死因贈与に限定されますが、遺留分の算定ではそれ以外の死因贈与も計算対象です。

特別受益と遺留分に関する重要な注意点

最後に特別受益と遺留分に関する注意点やポイントを解説します。

遺留分計算の対象となる特別受益の期間制限

遺留分を計算する際に含められる特別受益は、相続開始前10年以内になされた贈与に限られます。

法改正以前は期間制限がありませんでした。

しかし、現行の制度では相続開始前10年間に限って特別受益が計算の対象とされています。

持ち戻し免除と遺留分計算の関係

持ち戻し免除とは、被相続人が遺言などで「特別受益を考慮しない」と指示することです。

遺産分割では持ち戻し免除の意思が尊重されますが、遺留分の算定では原則通り特別受益を計算に入れます。

まとめ

特別受益は、被相続人からの生前贈与や遺贈など、相続人が先行的に取得した財産です。

これらの特別受益は、相続の公平性を保つため、遺留分の算定基礎財産に含まれます。

ただし、遺留分計算の対象となるのは相続開始前10年以内の特別受益に限定されており、持ち戻し免除があっても計算の対象となります。

特別受益が遺産分侵害請求の対象になるかどうか悩んだときは、弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。

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本間弁護士
  • 代表弁護士
    本間 謙
  • 経歴

    2015年12月 弁護士登録

    2015年12月 都内法律事務所勤務

    2019年 7月 本間綜合法律事務所設立

  • 所属団体
    第一東京弁護士会(登録番号 52781)

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